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【ネタバレ感想】あのこは貴族のラストと離婚理由の考察。この映画面白かった。

あのこは貴族 邦画

ネットフリックスであのこは貴族を鑑賞しました。

ネタバレ感想と、離婚理由の考察など諸々話したいと思います。

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あのこは貴族の概要・あらすじ

  • 監督:岨手由貴子
  • 製作年:2021年
  • キャスト:門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ ほか
東京で裕福な家庭で育った華子。結婚を考えていた恋⼈と破局し、幸⼀郎と出会う。幸⼀郎もまた、良家の生まれだった。幸一郎にプロポーズされ幸せな気持ちに浸った華子だったが、幸一郎のスマホを見てしまい美紀という女性の存在を知る。美紀は幸⼀郎との⼤学の同期⽣で、大学中退やホステスとして働いた過去、そして出戻りなど苦労人だった。対照的な2人の女性の人生がいま、交わり始める。

原作は山内マリコさんのあのこは貴族です。

あのこは貴族のネタバレ感想

階級と結婚と女性

映画全体的に階級・結婚・女性の要素がちりばめられている映画でしたわ〜。

まず、女性とはこういう風に思われている・女性はこういうものだってのが可視化されていて、フェミニズムというかフェミニズム界隈では話題に上るような・・そんな映画でした。

私としては最初に言っておきますとね、フェミニストかどうかとかフェミニズムがどうかっていうことは言及するつもりはありません。

次に階級ですよね。華子の友人逸子が言っていた通り東京は棲み分けができていて階級によって交わる人たちが決まっている。って本当そうだよなって。だって思考そのものが違うから、生活する場もよく行く場も、そら交わりあいませんよね。

華子は裕福な家庭で育ち、そして結婚が幸せなものだと思っている。裕福な家庭であるが故の無知さはありましたね。

そして自分と同じように裕福な家庭で育った幸一郎と出会い結婚までとんとん拍子に話が進みました。

これで華子の価値観であれば、このまま幸せな暮らしができるはず・・!と思うはずです。でも実際は、自分が思い描いた幸せとはかけ離れた窮屈な生活が待っていたってオチ。

お互いの家柄がそうさせていて、一般家庭が体験する結婚の闇とは違った闇を経験するわけですね。

幸一郎さんの結婚してからの変わり様も露骨だった。これは他の映画あるいはSNSでもよく聞く話なんですが、結婚したら恋人が変わってしまうという。

あれは結婚と言う制度がそうさせちゃっている部分がありますよね、結婚したと同時に相手を尊重できず自分のもののように扱ってしまうと言う。結婚の悪い側面だと思います。

それに加えて幸一郎は自分の地位や立場を邪魔しない”自分にとって生活していきやすいような妻”を探していたから、華子はぴったりだった。

華子、無垢で無知で自分の望む通りに動いてくれそうって思ったんじゃないかなぁと私は思いました。

幸一郎は家族に政治家も絡んでいるし、大きな鎖で繋がれている自身の状況をわかっていた。だから恋愛感情だけでは結婚相手を選べなかったということもわかっていた。

見ていてとても窮屈に感じましたけど、でもそういうもんなんでしょうね。

一般家庭での結婚相手もお互い自分に合ったレベルの人を選びがちじゃないですか(あんまりレベルって言葉使いたくないけど、つまりつり合うってやつ)

家柄を気にする人だったら、尚更お互いがつり合うかどうか吟味しますよねそりゃ。

女性としての価値や、女性はこういうものだと見られているといったポイントはめちゃくちゃ可視化されてて共感はしました。だって私、女性ですから。

今までの経験から、女性として感じたことをそのまま言いますね。(これがフェミニズムと捉えられるかどうかは知ったこっちゃありません)

この世の中はやっぱり”男性とはこういうものだ”、”女性とはこういうものだ”と言う型みたいなのはやっぱあるんですよね。

もちろん男性は男性で苦労はあると思うし、女性は女性で苦労がある。

私がひっかっかったのは、美紀がが実家に戻ったとき。同窓会に行く時に、父親に帰りはタクシーで帰ると言った時に「お母さんに迎えに来てもらえばいいタクシーも忙しいだろうから」って言ってるシーン。

私はここ引っかかりましたよ。お母さんに休ませるって選択肢はこの父にはないのか?と。

しかも美紀の父親は、「女やから料理ぐらいしろよ」とも言ってましたよね。女だから料理しなくちゃいけないってのも”女はこうだ”っていう型。

女だってそれぞれ個性はあるし料理が得意な人も不得意な人もいれば、できる時間できない時間ある。美紀が実家で息苦しい様子が可視化されていたように感じました。

それに美紀が爪を切っているシーン。

幸一郎が「母親の爪を切っているところ見たことない、切っているだろうけど隠れてしてたんじゃない」というのも印象的でした。

女性はそういったところを男性の前で見せないもの、というイメージが幸一郎の中にあったんだと。彼の家柄的にしょうがないですが。

そして女性はこういうものだって印象を外部が作り上げているんだって思わせてくれるシーンがグっときたんですよね。

華子と美紀がホテルのラウンジで初対面した時。

私も含め多くの人が「これは女性同士の修羅場が始まるのか・・!」と期待したと思います。でも実際は違いましたね。

逸子は2人をバチバチに対立させるためにセッティングしたんではない、むしろ手を取り合おうってスタンス。

「日本の社会は女性同士を分断させることが多いけど、それって嫌いなんですよね」と逸子は言っていました。

これは私も同意見で、別に女性同士で一致団結とまでは全然思ってないですけど、分断する必要は無いですよね。

それぞれ事情が違うし、分断とザックリ分けるのではなく、尊重や無関心が大事と思う。「あなたはそういう事情なんだ、ふーんっ」で終わり。対立する必要や排除する必要はないんですよね。

なんかこのシーン、本当に共感した。嬉しくも感じました。

んでそのあと、華子は美紀の家に行くまでになって。華子は美紀に親しみを抱いていて、お互い住む場所は違うけれども、お互いそういう世界の人なんだと認め、尊重している姿が「あーこういうのいいな〜」って思いました。

いがみあうんじゃなくてね。華子が美紀を見下すような人柄じゃないし、美紀も妬んで華子に接していない。これってこの映画への好感度上げていると思う。

階級が上の人が人を見下すってドラマの世界ではあるあるじゃん。でもそうじゃないパターンも全然あるわけなんで。

住む世界が違うのだから見える世界も当然違くて、それ故に美紀の常識と華子の常識も違う。生きてきた過程も真逆。普通に生活していたら交わらないであろう女性が、幸一郎という存在から繋がった。

ここでドンパチやる内容じゃなく、大切なのはそこじゃないってのを強く感じました。この映画が支持されるのはそいうところにあるんじゃなかろうか。

 

あ、そうだ。逸子の「結婚してもいつでも別れられる自分でいたい」ってのもかなり印象的で、私も「そうそう!これなんよ」って頷きまくり。

旦那さんに頼るのではなく、お互いの生活や人生を尊重し合う関係、めっちゃ理想なんですよね〜。

私は結婚は別に幸せの象徴だと私は思ってないんですよね。結婚しているが故に苦しいことだっていっぱいあるのに、結婚したら幸せって考えは抵抗がある。

でも、一つの区切りとして結婚を選択するのもありだけど、でもいつでも別れていいようにちゃんと自立しているって、かなり気楽になれると思うんですよね。

結婚は、お互いの鎖でもなんでもない、多くの選択肢の1つに過ぎないんだし。

映画観てて思ったけど、逸子のセリフを聞いて、逸子のファンになった人多そう(笑)

名言っていうか心に刺さるセリフ

あのこは貴族を観て、個人的に「このセリフ名言だわ」って思ったのをいくつか選びました。

※こんなようなセリフ言ってましたってだけで、正しい表記ではないかも。

  • みんなの憧れで作られていく東京
  • 東京は住み分けができてる
  • みんな決まった場所で生きてる
  • 「落ち着きます。全部美紀さんのものだから」
  • 田舎から出てきて搾取されて、わたしたち東京の養分じゃん

こういった、一部の女性にはかなり刺さるセリフが出てきます。

ラスト、離婚理由についての私の考察

美紀と出会ったその夜、家に帰って幸一郎と話している華子の姿がありましたね。

初めて出会った時に華子が話した映画、あれはあの後ちゃんと観たのかと幸一郎に聞いたところ、彼は観ていなかった。

(やっぱり幸一郎は恋愛対象ではなく、結婚対象を選んでいたことがうかがえる)

美紀が華子に「その日何があったか話せる相手がいるだけでも十分なじゃない?」と言う言葉に対して、華子は幸一郎に最後の確認のつもりでその話をしたんじゃなかろうかと。

でもやっぱり満たされなかった。やっぱりそうだったんだと、己の気持ちを再認識してしまったんじゃなかろうかと。それ以前に積もり積もった「なんか違う」ってのが、確固たる確信に変わってしまった。

華子が結婚とはどういうものなのか、裕福な家柄同士、地位によるしがらみなんて華子は知らなかったし、現実を見て自分の心の声を聞きたくなったんじゃないでしょうか。

って私は捉えました。

最後に

面白かった〜

華子は逸子のことが好きで連絡を待っていたシーンからも、華子が逸子の考えに近いものを感じていたのではって思います。

そして普通に生きていたら巡り会うことなんてできなかった美紀に出会い、自分の人生を見つめることになった。

女性の価値観や階級、結婚など、女性にまつわる「そうそうこれなのよ」な共感シーンが多くあって、私はなんか嬉しくなっちゃった。

だから面白いとも感じたんだと思います。

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余談ですが・・・
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この記事の著者(私)
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