おいおいおいおい…とんでもねー映画だな….と思いましたよ。
構成っていうの?作りが斬新。
ことの顛末がわかった時に「ああ、そういうこと!?」な衝撃。
いろんな意味で、恐ろしい映画だよ…….。
アンテベラム
- 監督:ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ
- 製作年:2020年
- キャスト:ジャネール・モネイ、エリック・ラング、ジェナ・マローン、ジャック・ヒューストン ほか
アンテベラムのネタバレ感想
最初に「歴史は死なない」と文字が出たので、過去や歴史に囚われた人間たちの何か?を観せられるのかと思いました。
そして冒頭にプランテーションでのひどい黒人差別シーンが流れる。着ている衣服もなんだかかなり大昔のよう。
なので「あ、これは歴史でひどい黒人差別をされた人、した人が転生して、現代でも過去を引きずってしまう物語なのだな」って思ったんですよ。
しばしひどい仕打ちが描かれ、胸糞な映像を観たのち、ヴェロニカという女性が映し出される。そしてふかふかのモダンなベットで家族としあわせそうな光景が流れる。
あ。現代のこの女性が過去から転生してきた人ね。現代で、過去世で仕打ちした人と会うのかなって予想しましてね。
で、現代のヴェロニカは記者?からひどい差別的なこと言われたり、ホテルに綿花が届けられたり、レストランでは到底許諾できないテーブルに通される。
現代で露骨に差別される映像が流れて、良い気分はしませんでした。と同時にいったいこれが過去とどうつながっていくのか気になっていきました。
そして拉致されてしまった直後、冒頭からのプランテーションの小屋で主人?と寝ているエデン(ヴェロニカ)が映される。
過去世のシーンを映しているのね・・と思いました。
が、その直後。主人?が馬に吊り下げてたバッグに隠しておいたスマホをいじるシーンが映って頭が大混乱!
は!?!?プランテーションになんでスマホ???
は????いつの時代設定になってんの????
どうやら、このプランテーション、現代の時間軸でしたっていうオチ!
つまりヴェロニカは差別主義集団たちにずっと狙われてて、そしてついに拉致られ、あのプランテーションに奴隷としてお送りこまれてしまったってわけ!in 現代!
現代の時間軸なので、世界のどこかに、タイムスリップしたかのようなこのプランテーションが存在していたというね。
で、ヴェロニカも黙っちゃいない。ひどいしうちの連続に友人の死。ここがどこかもわからずだけど、ついに脱出を決意。
脱出時に主人とドンパチやり、主人を焼却炉みたいなところに運び、気づいた仲間たちが「デントン上院議員」と叫ぶ。
つまりは上院議員とその選挙スタッフ?仲間たちが差別主義集団となっていたっていう。
怖・・。
そして上院議員の最後の言葉。「これで終わりではない、目には見えんが我々は無数にいる」ってセリフがかなり印象的。
私たち以外にも差別主義者はこの世にいっぱいいるよ・・ってことですもんね。
怖・・・。
デントン上院議員のスマホでなんとか位置情報を夫に送り、馬に乗ってひたすら駆け出すヴェロニカ。
そんで、ヴェロニカを拉致ったあの女性も登場。「父は〜」って言っていたからデントン上院議員の娘かな?
とんでもねぇ。親子揃って差別主義っって、とんでもねえ。
まぁ子は親の思想を受け継いじゃうもんよね・・そうやって教え込まれるだろうし。
そして最後よ。最後。
この再現性の高いプランテーション、いったいどこにあるの!?って謎の答えが分かる瞬間。
それが、銃撃音でドンパチやってる、まるで戦場かのような場所をヴェロニカが通った際に映し出された看板。
南北戦争 再現パーク ルイジアナ州 所有者 ブレイク・デントン
所有者・・・ブレイクデントン!!
そう、デントン上院議員が持っていた再現パーク(テーマパーク的な)だったのです。
再現パークだからプランテーションの再現性も高く、そして己が所有しているから、人の出入りも自由に制限できたってことよね。
あのドンパチ戦場みたいな映像も、再現パークだから、従業員が観光客のためにやっていたことね!?っていろいろここで解明。
そういうことね!!!
いや〜
なにこの映画。怖いよ。
いろいろすごい描き方。構成がすごいしびっくりした。
題材的には胸糞で気分悪くなるしイラっともするんだけど、構成が斬新すぎた。
最後にブFBIが事情聴取してたり農園にいる映像、そしてブルドーザーでアンテベラム の看板が破壊されるシーンがありましたね。唯一ホッとするシーンが流れ映画は終了。
いやはや・・・。
再現パークを本物のようにしちゃうなんて。タイムスリップもんじゃんね。
過去世とか輪廻転生系かと思ったら、ガッツリ現代のお話でした。
こんな感じで感想終わりたいと思います。
いや〜いろいろと衝撃な映画でした。これ、2回見ると理解が深まりますね。