今回は “実話を基にした衝撃的な映画” に区切って紹介したいと思います。
実話映画にもいろんな種類があるんですが、今回は衝撃的、ショッキング、胸糞だと感じたもののみ紹介します。
割合で言うと胸糞系が多いかもしれない。心のご準備を。
実話を元にした衝撃的な映画9選
簡単なあらすじの後に、私の感想をネタバレ最小限でお話しします。
とはいえ、実話をもとにした映画ってだけでネタバレにはなってしますんですけどね;
死ぬほどあなたを愛してる
Netflix 死ぬほどあなたを愛してる
https://www.netflix.com/title/81258556
あらすじ
代理ミュンヒハウゼン症候群の母親が娘を病人に仕立て上げ、娘の彼氏に殺害されるという、ディー・ディー・ブランチャード殺害事件を基にした作品。
母親は、重病の娘を献身的に支える姿を世間に見せ、そして同情や金銭をもらうことで生活していた。
一方、母親から「あなたは病気なの」と言われ育ち、母親の言う通りし生きてきたがやがて疑問を抱き、自分の要望を訴えかけるようになるのだが…。
私の感想
代理ミュンヒハウゼン症候群の映画って時点でネタバレになってしまうのですが、つまりそういうこと。
母親が娘を病人にしたて、まわりから注目を浴びて金銭を得る、そのために娘を抑圧し続ける話。
この「死ぬほどあなたを愛してる」構成が面白くって、2つに分かれているんです。まずは母親目線のストーリー、そして次に娘のストーリー。
私、これのもとになった事件、うっすらとしか記憶になくてですね、そんな状態で見たから前半は「献身的だけど過保護すぎる母ちゃんだな〜・・母親の愛が重すぎて娘が大反抗するのかな」程度にしか思ってなかったんですよね。
そしたら、娘のストーリーでいろんな事実が判明するっていう。
母親目線と娘目線で全然内容が違う。
父親への印象も全然違くって、母親ストーリーだと悪者に映ってて、娘ストーリーだと良い父親に映ってる。
この構成はすごく見応えがあると思いました。
母親と娘で歪んだ共依存が出来上がってしまっていたけど、最終的には娘の自我?欲望が表に出始めたのは唯一の希望であったと思う。
悲しい事件だけど。
ガール・イン・ザ・ベースメント
あらすじ
1984年、オーストリアで実際に起こった「フリッツル事件」を基に描かれた作品です。エリーザベト・フリッツルさんが、実の父親ヨーゼフから24年間にわたり監禁・強姦され7人の子供を産んだ衝撃的な内容。
私の感想
実際にあったなんて信じたくもないような衝撃で最大級に胸糞な映画です。
気分悪くて鑑賞前に躊躇してしまった作品。この映画「観て後悔した」とも言われる作品で、私も若干後悔しましたわ。
「フリッツル事件」は2015年のルームって映画でも参考にされましたよね。あれもエグかったけど、ガール・イン・ザ・ベースメントはレベル違くてもっと残酷。
24年、出産7回て想像できないですよね。度重なる父親かのレイプって精神が普通に崩壊するレベルですよ。どんなに辛いか・・っていうか辛いって言葉が軽く感じるくらい。
しかもこれが自宅の地下なわけ。どうしてバレなかったの?って思っちゃいますが、わからないようにできたってことなんですよね。父親の知恵が働いたところもまたおぞましいわ。
最後に助けを求めるシーンがあるんだけど、あれがなかったら寝込むところだったわ。結末に明るい内容がこないとこっちがやられるってくらい残酷で胸糞。
エレファント
あらすじ
コロンバイン高校銃乱射事件(1999)を題材にした映画。その場にいた高校生と犠牲者たちそれぞれの視点から、事件の瞬間までを描いている。
私の感想
銃乱射事件そのものを描くのではなく、その場にいた高校生や、犠牲者となった高校生たちの視点で描いた内容で、ドキュメンタリー要素が強いですね。
カメラワークとしては1917の映画を思い出しました。あれと撮り方が似ている。
1つのシーンがすっごい長いんです。見せ場となる部分をカットするのではなく、「このシーン長くない?いらないのでは?」なシーンもそのまま映しているのが印象的でした。故に、リアルさを感じましたね。
高校生たちの普通の日常を描いていて、事件のその瞬間まで誰の視点からも日常が映っているんです。誰もがあんな悲劇を予想しない、ありふれた日常。
犯人たちは日常でもなんでもなく「ついにこの日がきた」って感じなんでしょうけど。シャワーで「今日死ぬんだよな」ってのがとにかく重かった。
映画の大半がドキュメンタリーに平和な日常を映し出していたので、クライマックスの容赦ない射撃シーンはその温度差に「うっっ」ってなりました。派手な音楽や演出は一切なくて、ただ淡々と銃口を向けていく2人。
だからリアルさが強調されるんですよね。映画っぽさがなくなるから。
ちなみに。
被害者の両親と加害者の両親が対峙する映画が製作されまして、個人的にはこっちも気になります・・・すっごい重そう・・
ホテルムンバイ
あらすじ
インド・ムンバイの有名五つ星ホテルが武装したテロリストたちによって占拠された。
その場にいた従業員は、数百人の宿泊客を守りそして逃がすため、特殊部隊が車でホテルで耐え忍んでいた。
残酷な銃弾が飛び交う中、従業員と宿泊客、個々のストーリーが描かれる。
私の感想
実際に攻撃に来たテロリストは、いかにも鍛錬された悪い奴らって感じではなく、まだあどけなさが残る青少年たちなんですよ。洗脳の怖さってこういうところなんだよな。
バックで彼らを誘導してたボス的な人がいて、その人から指示を受けて攻撃。この青年達はことの残酷さを理解しきれてないように見えた。
故に生粋のテロリスト思考じゃなく完全に洗脳による破壊・虐殺行為だったから本当に居た堪れない心情になったよ。
しかもいつどこで遭遇するかもわからない状況下、脅されているシーン、どっちに逃げるか迷うシーン、”自分だったら” と考えると一種の疑似体験をしているようになって、手汗握りました。
エリザベス -狂気のオカルティズム-
あらすじ
2002年アメリカユタ州で起こった誘拐・監禁事件を基にした作品。
当時14歳だった女子が誘拐され、謎の宗教にのめりこむ夫婦に虐待されながら生活を強いられ、そしてそこから抜け出すまでの内容を描いています。
私の感想
これねー・・・・・内容がむっっちゃくちゃ胸糞。ほんっっっっとに胸糞。久々にエグいくらい気分悪くなった。
若い女の子がさ、ある日突然拉致され奇妙な夫婦とテントで監禁されながら共に暮らすんですね。
謎の宗教(っていうか自分で作った宗教って感じもするけど)を信じた夫婦の道徳もクソもない環境下で好き女の子が勝手されるわけなんですよ。男からはレイプもされる。
こういう誘拐・監禁の怖いところってどんどん洗脳されていってしまうところにあるんだよね。この映画でも最後の最後、やっと警察が救いに来てくれたのに固まって何も言えない描写が描かれてて、観ているこっちは「早く逃げて!助けを求めて!」って言いたくなるけど、こればっかりは当人しか分からない心理状況なんですよね。
終始ひどい扱い受けたから「精神状態は大丈夫か・・実話でしょ・・これ・・」って思っちゃうけど今はおそらく精神は崩壊していないっぽい。なぜかというと、映画の途中途中で、実際に誘拐された本人が画面に映し出されるんですね。
そして現在は結婚して子供もいて幸せな暮らしをしているとのこと。内容は胸糞だけど、明るい印象で当時の状況を説明するんです。
今が明るい(実際の内面は分からないし、乗り越えるの壮絶だったと思うけど)様子だから、観ているこちらとしてはそこが唯一の救いって感じでした。
7月22日
Netflix 7月22日
https://www.netflix.com/title/80210932
あらすじ
7月22日、ノルウェー・ウトヤ島で発生した残虐なテロ事件を基にした作品。
銃声が響き渡る島で生き延びた若者たち、そしてその家族の苦悩と葛藤。テロリストの考えや社会の動きを動きを描いたストーリー。
私の感想
お恥ずかしながら、ウトヤ島のこの事件、映画を観るまで知りませんでした。
こんな残虐な事件があったなんて衝撃的すぎて想像を絶する内容、というのは間違いありません。
撃たれるシーン、というよりかは “もし自分がその場にいたら” と想像すると(想像なんてできないのだけれど)震えるに近い。
敵はたった1人になのに、島のどこにいるかわからない。頼みの綱は銃声だけ。見つかったら最後。恐怖って言葉では言い表せない程ですよね。
ウトヤ島のシーンは前半で、途中からは被害者や遺族、そして犯人についてのシーンが続きます。
調べたらノルウェーって刑事罰の最高刑は懲役 21 年で終身刑はないそうなんです。(これだけの事件でこの刑期・・これもかなり衝撃的な事実ですよね。)
ちなみにこの後紹介する「ウトヤ島、7月22日」も同じ事件を題材にしたものなんですが、「ウトヤ島、7月22日」を先に観た方がいいかも。
事件の悲惨さをありのままという感じで映しているので、これを観てから「7月22日」を観て、事件の背景や犯人の人物像を確認していくって流れの方が腑に落ちやすいかも。
7月22日、ウトヤ島
あらすじ
先に紹介した7月22日と題材は一緒です。
7月22日、ノルウェー・ウトヤ島で発生したテロ事件の内容。
私の感想
先に紹介した「7月22日」と話は一緒ですが、フォーカスする対象が違います。
「7月22日、ウトヤ島」は主人公の女性1人が逃げ回る様子だけを淡々と映すだけです。
そしてワンカットで(正確には編集を駆使してワンカットじゃないのかもですが)テロリストから逃げる女性を追っているので、緊張感が最後まで続く感じ。
物語性はなく、ただただ女性を映すだけなんで、犯人像や遺族の心情などは描いていません。人によっては映画として物足りないって思うかもしれない。
私は内容の衝撃さを感じていたので最後まで見応えを感じました。
ドキュメンタリーとも違う感じで、1917の映画と映し方は似ている気がします。
リチャードジュエル
あらすじ
1996年、アトランタ・オリンピック開催中に爆破テロ事件が勃発。不審なバックを発見した警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)の迅速な通報によって数多くの力で多くの人命が救われた。だが、爆弾の第一発見者であることでFBIから疑われ、第一容疑者として逮捕されてしまう。ジュエルの窮地に立ち上がった弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)は、この捜査に異を唱えるのだが…。
私の感想
爆弾を発見し未然に防いだとして一躍時の人となるけど、今度は「犯人なんじゃね?」って追求されてしまう・・・・ってそりゃあ警察も人を疑うのが仕事だしわからなくもないけど、観てるこっちは「え、マジかよ」とは思っちゃいますよね。
かわいそう・・と思いつつもすっごい複雑な感情になっちゃった。
でも彼がいなかったら何千もの犠牲が出てたと思ったら彼には感謝しかないですよね。
でもさ、第一発見者がとことん追求されまくったらさ、この先誰も不審物の通報しなくならない!?
ちょっと話違うかもだけど、私というパズルの助産師を思い出しちゃった。
あれはあれですっごい悲しい出来事だけど、死産の責任を助産師に押し付けたら助産師少なくなっちゃうのでは・・って思いました。
それとメディアの影響力ね。わかっちゃいるけど、改めてこういう事件の時に認識する。
報道された内容だけを信じて(その背景になにがあるのかまで考えないじゃない?)それが共通認識になる。
情報って複雑で見方によって、捉え方によって全く違ったふうにも見えるから、伝え方って大事よなー・・って思った。
ローン・サバイバー
これ、米国海兵隊史上最大の悲劇レッドウィング作戦を題材にしている映画なんですが、調べたところ「事実とかなり違う!」とも言われているんです。
ぶっちゃけ私は事実に忠実なものかと思っていたから結構ショック。
なのでここで紹介するかちょっと迷ったんですが・・・
でも、それでも、作品としてはすごい心締め付けられるし映像が衝撃の連続。辛い。そして最後辛すぎて泣く。
詳しい感想は、お手数ですが下記ページをご覧ください
アメリカン・スナイパー
あらすじ
ネイビー・シールズに入隊したクリス・カイル。のちに彼は米軍史上最多160人を射殺することになる。国を愛し、仲間を守り、そして家族を愛した彼だったが、衝撃的な最後を迎えてします。
私の感想
こういうのは本当に心が痛むんですわ。正義感から国のため、家族のため、戦場で戦う。彼は任務を、そして責務を全うしてただけなんだけど・・・うーん私としては言葉をかなり選んでしまう。
いくら任務とはいえ、人を殺めることに変わりはないから、そりゃ心に影響がないわけがない。トラウマ・・PTSDになるよ当然。そう考えると居た堪れない感情に陥るわけですよ。
待たされる家族のこと考えると「夫が死ぬかもしれない」という不安に苛まれながら暮らさなきゃ訳で。そういった苦しみを丁寧に描いているのが良かったです。
そして、最後の最後で全てを持ってかれました。最初はこの事件を知らないで観たから「え・・」っていう。(鑑賞後に事件のこと調べましたもん)
クリスの最後がとにかく辛い。国に尽くし、心に傷を負って、仲間を助けてあの結末ですか。最後実際の映像?みたいなのが流れるのですが、ここで涙する人多そうです。
この終わり方、私は妙に「ジュディ虹の彼方に」を思い出しましたね。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
あらすじ
固い友情で結ばれていた売れない俳優リックと付き人でタントマンのクリフ。再起をかけて奮闘する二人だった。そして1969年8月、リックの隣人のとある監督の家で残虐事件が起こる。
私の感想
ワンスアポンアタイムはね、最初観た時よくわかんなかったんですよね。
なぜならシャロン・テート事件を予習せずに観たから。
この事件を知って観るのと観ないのとでは感想に雲泥の差が出ると私は感じました。
最後家で襲われるシーンがあるんですが事件を知っていると「ああ、あの事件の実行を描いているんだ」ってすぐわかるけど、事件を知っていないで観ると「は?なんだなんだ?」って感想になりかねない。
ですので、私としては、ワンスアポンアタイムを見るなら絶対にこの事件を調べてから観ることをおすすめします。
ググれば情報がたくさん出てきます。結構衝撃的です。
混沌として何でもありな、そういう時代だったってのもあるのでしょうが・・・これが実話だったなんて衝撃すぎます。おぞましすぎる。
登場人物の名前や場所、関係者たちなど出てきますし、事件の背景も描かれています。
だけれども、ワンスアポンアタイムの映画自体はフィクションも入っていて、まさにタイトル通り「昔々、ハリウッドに〜」って感じの内容なんです。
どうしてこの結末にしたのか、ってところが監督の心意気を感じるってコメントも見かけましたが、私はタランティーノ監督作品全く詳しくないので何も語れません。
監督はこの映画をある種の物語としたかったのかも。
衝撃的ってほどではないが、実話をもとにしたこの作品もおすすめ
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