伏線回収と社会へのメッセージ|映画ファイトクラブの解説

Fight Clubサスペンス・ミステリー

1999年に公開されたデヴィット・フィンチャー監督の「ファイト・クラブ」。

公開当時はその内容からかなり厳しい批評を受けた作品でしたが、公開から何年もたった今ではカルト映画として人気の作品となっています。

そして公開当時よりも消費社会となった今見るとこの映画で、デヴィット・フィンチャー監督が伝えようとしていたことを痛切に感じることができると思います。

彼は私たちに「ファイト・クラブ」を通して何を伝えようとしていたのでしょうか?

※ネタバレありです。

ファイト・クラブのあらすじと解説

主人公の男性は何不自由のない生活を送っています。

仕事もあり家もあり、ブランド物の洋服を身につけ物に困っていない生活をしています。部屋はイケアの家具で揃え、まるでカタログから飛び出たような家。

会社に行けばスターバックスのコーヒーを飲み、それなりに仕事を送っているのですが主人公は満足感を得ることができません。

それによって眠れない日々を送り、不眠症になっていました。(なんて贅沢な悩み!w)

そんな時に出会ったのが、タイラー・ダーデンという男(ブラッドピッド)。

彼と出会い、殴り合いをした時に初めて生きている実感を得るのです・・。

タイラーは主人公が作り出した願望

次第に今までの自分とはかけ離れた生活を送り始めるのですが、その生活こそが彼が望んでいる姿だったのです。

やがて生活にハリを感じ始める主人公でしたが、タイラーの理解不能な行動に悩み始めてしまいます。

ここで疑問になってくるのが、果たしてこのタイター・ダーデンという男は誰なのかということです。

タイラーが去ってしまい、彼を探すうちに主人公はタイラーの姿に気がつきます。

そしてそれは・・・自分自身が作り出した想像上の人物だったのです。

しかもその想像上の人物は、自分がなりたい理想の人物だったのでした。

サブリミナル効果

ここで観客も「そうだったのか」と思うのですが、実は映画の最初からブラッド・ピット演じるタイラーの姿は映画の中に何度か映し出されていました。

よく見ていると分かるのですが、サブリミナル効果のような形で一瞬映り込んでいるんですよ。

これの伏線として、タイラーの職業が説明されます。

彼は映写技師で、ファミリー映画にいたずらとしてポルノ映画の1コマを入れて楽しんでいると。

タイラーが登場するまでの間に一瞬映し出されるタイラーのことを暗示しているのです。

さらにこのポルノ映画の1コマといのが、実際に「ファイト・クラブ」の中でも映っています。

それは映画のラストシーンの後。
エンドクレジットが出る前の一瞬男性器が映るんです。

これは、タイラーが映写室にいるかもということを、観客に意味しているのでは?と思ってしまいますね。

なぜならタイラーは映画の中で観客に視線を向けて、訴えているシーンもあるからです。

ブラッド・ピット演じるタイラーを通して監督が私たちに訴えていたのでしょう。

日本映画ではありえない映し方

この映画のすごいのは日本映画ではなかなかない、商品名や会社名を実際に出してそれを批判することです。

主人公の家の家具をイケアで揃えていると言ったり、会社ではスターバックスのコーヒーを飲んでいると実際にスターバックススのロゴが映ります。

バスの中の広告にはグッチの下着の広告が映り、タイラー達が壊す車はフォルクスワーゲンだったりします。

これだけ商品やその名前を映し出し、それを壊していく様子は凄さを感じます。

でもそれが「ファイト・クラブ」を通して監督が私たちに訴えかけていたテーマだったのです。

消費者である私たちへのメッセージとは

ファイトクラブが私たちへおくりたいメッセージ、それは消費社会になり物に溢れてしまっている私たちへの警告です。

タイラーが主人公にいうセリフで「消費者でしかない」というシーンあります。

今の私たちは何者でもなく、単なる消費者でしかないと言っており、死の恐怖を知らずに、痛みを知らずに生きている、と。

だからタイラーは主人公に痛みを与えるために、火傷させます。

そしてその痛みが生きていることなのだ、生きているという瞬間なのだと教えたのでした。

確かに、私たちは毎日膨大な量の広告を目にします。

この映画が作られた1999年よりも今はネットが発達し、通販でなんでも買うことができます。

そんなに欲しくないのに、なんとなく買ってしまうという行為をしている時があります。広告につられて、消費や浪費をする。

そんな世の中に「大丈夫か?」と問いかけたのがこの「ファイト・クラブ」だったのです。

ファイト・クラブが危険と言われた背景

「ファイト・クラブ」は公開当時、映画批評家の間では危険な映画だと言われていました。

なぜならこのメッセージに影響を受けてしまう人が増え、資本社会を壊してしまうのでは?男性優位主義の映画では?と懸念されたからです。

公開当時はそんなにヒットした映画ではなかったんですが、ジワジワとカルト映画として火がつき今では知らない人がいないほどになったんですよね。

後世まで語り継がれる映画の仲間入りを果たしたって感じします。

映画の冒頭とラストが同じだったり、いきなり感客に話しかけたり、サブリミナル効果が散りばめられていたり・・この映画を観てその斬新な手法にハマってしまう人が続出したのです。

個人的には今「ファイトクラブ」を見直すと、監督の伝えたいメッセージがより痛烈に聞こえます。

消費社会に踊らされている自分が、悲しく思えてしまうかもしれません。感受性が強い方はちょっと覚悟が必要かも?

なかなか深い内容の作品です。

まとめ

映画ファイトクラブについて解説させていただきました。

今の社会では作れない(作りにくい)映画だからこそ価値が高いとも思いますし、メッセージ性の強さにこちらも考えさせられる内容です。

受け取り方は人それぞれですが、伏線回収やこういった社会へのメッセージを織り込ませた内容が好きな人にはおすすめ。

まだ観たことがない人はぜひチェックしてみてくださいね。

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この記事を書いた人
映画と海外ドラマが好きな人

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関東在住。映画と海外ドラマが大好きなアラサーです。
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