映画ゲティ家の身代金を鑑賞しました。
結論から言うと、淡々と物語は進んでいき面白い展開は特にないし「う〜ん、普通」という感想。
ただ、この映画制作中にいろいろあった作品でかなり苦労作って感じする。
今回は、簡単なあらすじと、おじいちゃん、身代金なぜ払ったの?の考察、そしてネタバレ感想をお話しします。
ゲティ家の身代金の概要
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監督 | リドリー・スコット |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2017年 |
原題 | All the Money in the World |
上映時間 | 133分 |
ジャンル | サスペンス |
キャスト | ミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、ティモシー・ハットン、ロマン・デュリス、チャーリー・プラマー、マーク・ウォールバーグ ほか |
ゲティ家の身代金のあらすじ
73年、石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールが、イタリアのローマで誘拐され、母親ゲイルのもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否。ゲイルは息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙することになる。出典:https://eiga.com/
大富豪ゲティの孫息子が誘拐され、母親と犯人との緊迫したやりとり、そしてゲティと身代金について対立する姿が描かれています。
ゲティ家の身代金を観て思ったこと(ネタバレ感想)
終始平坦な展開だがそれぞれの人間性が面白い
ケチな富豪、誘拐された息子、そしてその母親、交渉担当の男、そして卑劣な誘拐犯たち、それぞれの人間性がわかりやすく映像に出ていたな〜って感じ。
焦点は誘拐そのものではないよね、これ。
母親は取り乱したり心配する姿がほとんどで予想できたけれど、富豪おじいちゃんの方が最後まで我々一般人と価値観のズレが大きかったなと。
おじいちゃん「息子は私のものだ、あの女が奪ったって」って独り言のように言ってたから”金が惜しいから出さない”ってわけじゃなさそうだけど。おじいちゃんにはおじいちゃんなりに価値の基準があったんだと思います。
それに、母親への恨みも重なってさ、母親に対抗のためにあえて出さなかったのでは?とも少し思う。
話の展開的には「え!?」「まさか!?」というのがなくて、期待しすぎた感は否めません。
だし、マークウォールバーグが大きな解決策を見出したり何か画策してくれると思いきや終始母親をサポートするだけだったし・・
私の中で「リドリー・スコット監督の作品だし面白いこと間違いなし」と期待しまくりだったんですがおそらく映画エイリアンシリーズや海外ドラマのグッドワイフの印象が頭にあったから、なのかも。
いや全く異なるジャンルでしょうよって感じだけど、同じ監督だからちょっと面白い展開を期待しちゃってた・・はは^^:
母親が戦う敵は犯人なのか、大富豪ゲティなのか
本来なら戦う相手は卑劣な行為をしている犯人。
でも母親は、身代金を出さないと言っているゲティおじいちゃんに対しても怒りがあるわけで。
前述したようにおじいちゃんは単にお金が惜しいわけでも、孫が嫌いわけでもないっぽいんだけどでもその行動のせいで母親が二重苦になるって。
そういえば誘拐をメインとした映画って、誘拐された子供の親の苦しみをフォーカスしたものが多く、観ているこちら同情心から感情移入させられちゃうのが多いですよね。それが面白さに繋がるというか。
でもゲティ家の身代金は母親の可哀想な姿を映しているのではなくて、その苦労感というか(なんでジジイ金出さないんかい!みたいな)そっちが強いと私は思った。
「みんな何もしててくれない」って嘆いてもいましたしね。
母親役のミシェル・ウィリアムズの演技は言わずもがな素晴らしかったですよ。強いなって感じ。
余談ですが、ミシェル・ウィリアムズが出演している映画といえば、マンチェスターバイザシーがおすすめ。
なぜ払ったの?を考察してみた
あんなに渋っていたお爺ちゃん、なぜ身代金を払ったの?
あれよね?切断された耳が送られてきたから、やっと重い腰あげたのよね?
おじいちゃんにも良心は残っていて、流石に体の一部が送られてきたら払うしかないか、と。
そして値切って自分の納得のいく金額で払ったと。
おじいちゃんは絵画など価値のあるもので且つ自分の欲しいものはホイホイ買うのに、身代金は別っていうのがまたね。
身代金を払って得られるのは孫、その孫に価値を感じていなかったってことを私は考えました。「そんな無駄金ない」「額ほどの価値が〜」とかって言ってたしね;
ほんとこのおじいちゃん、良くも悪くも自分の中の価値を大切にする人だなと。
確かにね、身代金の額がとんでもないし金額に「うっ……」となるのはわかります。
でもおじいちゃん、大富豪だし、要求された額払うのって大したことないのでは?と思いますよね。それにもし家族が誘拐されたら多くの人が「払うから返してくれ」と選択すると思います。
そうならなかったから「え?」てなった事件だったわけですよね〜
耳…..やめてくれ(ちょいグロ映像)
耳のカットシーンが生々しくてあれは手汗がめっちゃ出た。グロ映画好きですけど、意識や痛みの感覚がある中での切断って想像するだけでうわあああああ。
あれは目を覆いたくなったけど、若干眠気が襲いそうなシーンが続く中でのシーンだったから「ハっ!」とした人は多いと思います。
あれは印象的ですよね。
ゲティ家の身代金はいろいろトラブルあったとな
役者たちにゴタゴタがあったんですよね。
小ネタ:役者の降板
そんなことがあったんだ…と後から知ったのですが
ゲティ役ってもともとはケビン・スペイシーが演じていたんですって。
それなのに完成間近にスペイシーがスキャンダルで降板。その後にクリストファー・プラマーが代役を務めて再撮影。
ケビン・スペイシーといえばハウス・オブ・カード 野望の階段というドラマでも主役を演じていたんですよ。何シーズンも更新されて私もずっと観てた。
でも降板が決まってからは「彼がスキャンダル降板した影響で主役が変わった」というのがどうしても頭から離れなくて、単純に物語を楽しめなくなっちゃって観るのやめたんですよね。
ギャラ問題
その後、キャストたちがまた再撮影したんだけど、マークウォールバーグとミッシェルウィリアズムとの間にかなりのギャラの差があったと報道され大ブーイング。
私もネットニュースで知ってびっくりしたのを覚えています。シーンの量やキャリアで多少ギャラが変わるのは致し方ないけど、個人的に2人は多額なギャラの差ができるほど大きな違いってあまりないような気がしたので。
こんな感じで、ゲティ家の身代金は問題が付き纏い苦労した作品?何かと大変な作品となってしまったわけですね・・・
まとめ
全体的な感想としては、う〜ん、つまらないってわけではないけど1回観ればもういいかなって感じ。
リドリー・スコット監督の映画って感じで期待感大で観ましたが、個人的には感情移入もなければ驚く展開もなく普通でした。
面白い描写は多々ありましたし、新しい誘拐映画な感じはしますけど。
あとマークウォールバーグがそこまで目立たない作品って感じでちょっと新鮮でした。最近の映画では彼は主役が多いので。