映画ハクソー・リッジを観ました。
日本兵とアメリカ兵との戦争映画。
これまでの一般的な戦争映画とはちょっと違って、衛生兵に焦点をあてた映画なんです。
リアルで衝撃的な映像だけど、ものすごく胸を締め付けられる感動大作でした。
※ネタバレ注意
映画「ハクソー・リッジ」の概要・あらすじ
概要
監督 | メル・ギブソン |
製作国 | アメリカ、オーストラリア |
製作年 | 2016年 |
原題 | Hacksaw Ridge |
上映時間 | 139分 |
ジャンル | 戦争 |
キャスト | アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー ほか |
あらすじ
人を殺めてはいけない。そう強く心に決めていたデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、軍隊でもその意志を貫こうとしていた。上官(サム・ワーシントン、ヴィンス・ヴォーン)や同僚(ルーク・ブレイシー)に疎まれながらも、妻(テリーサ・パーマー)や父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の助けを借りて、銃を持たずに戦場に行くことを許可される。そして、デズモンドは難攻不落の最終戦地“ハクソー・リッジ”での戦闘に参加することになった。アメリカ軍が幾度となくハクソーの崖を登り制圧するも、敵のすさまじい攻撃に遭い、その度に撤退を余儀なくされる。敵の攻撃が続く中で、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たった一人で戦場へ留まるというあり得ない決意をするが… 出典:https://filmarks.com/
アメリカ兵と日本兵の戦争映画で、舞台は沖縄のハクソーリッジという巨大な崖。
日本では前田高地の戦いと言われていますね。
宗教的信念を貫いたある衛生兵が1人でも多くの戦士を救うため、いつ自分も撃たれるかわからない状況下たったひとり戦地に残り仲間を助ける話。
映画「ハクソー・リッジ」のネタバレ感想
衛生兵の信念に焦点を当てた作品
衛生兵が仲間を救うためにたったひとりで危険な戦地(崖の上)に残り、攻撃されながらも仲間を救う衛生兵。
戦争映画はたくさん観てきましたけれどテーマが斬新。
「人を救いたい・・」その信念だけで、自分を犠牲にしながら仲間を崖の下へと運ぶ。並大抵の精神力ではできないことです。
もはや ”すばらしい” とか ”すごい” なんて言葉が軽く聞こえてしまうほど。
衛生兵って攻撃せずに仲間の手当だけが任務で、デズモンドはそもそも武器を持ちたくなくてただただ救うことだけ考えたい人物だから適正だけど・・戦う訓練を他の兵士よりしてないからそれが返ってリスクですよね。
攻撃に参加しないとはいえ、自分が手当てしないと周りの兵士を救えなくなるから自分も生き残らなくちゃいけないし。
しかも自分(デズモンド)を優先するために自己犠牲する兵士も出てきそうですしね。(限りがある衛生兵は貴重)めちゃくちゃプレッシャーな仕事だと思っちゃった。
かなり感情移入をしてしまった。
血や肉片。映像がリアル
言わずもがな、映像は超リアル。戦争映画の攻撃シーンにはつきものな目を覆いたくなるような血や肉片のシーンも多々あります。
プライベートライアンっていう戦争映画見たことありますか?映像でいったらあれ以上のリアルさって考えてもらえればイメージしやすいかも。
リアルな描写を映すってのがメルギブソン監督の特徴の一つなんだそうですよ。どっかの映画評論家が言ってました。
リアルであればリアルであるほど戦争がどれだけ残酷だったかって思えるから大事ですけど・・・ね。映画の中の作り物とわかっていても、しっかり目に焼き付けないとって思います。
ただハクソー・リッジの舞台が沖縄で相手が日本兵なので日本人としてはとても複雑な感情でしたけど。
ちなみにこういった戦士たちの過酷な戦いで、私史上最も鑑賞中に「痛い!!」と思った戦争映画はローン・サバイバーです。
今考えたら諸々クソ!な状況下デズモンドがかわいそうだった
軍の施設での出来事がクソすぎる。上司の命令は絶対だしたとえ理不尽な命令にも絶対服従しなくちゃいけない。
てかまじで変な命令やセリフで「秩序や道徳はどこ行った」て何度も思った。
時代によるものだと思いたいけど、それにしても酷すぎる。
さらには 人を殺さない=犯罪者 とかでデズモンドが裁判にかけられちゃうし。
攻撃されるから人を殺しても仕方がないという考えに、ただただ震えました。
でも・・・当時はそうだったんですよね。
私たち日本人だって、国は違えど祖先が必死に戦って(相手を攻撃して)日本を守ってくれたから今があるわけで・・複雑。本当に複雑。
彼は臆病者ではない
国を守るために戦うことが正とされていた時代、戦わないと言ったら臆病者と言われるのは自然なことかもしれません。
当時の時代のことを想像でしか語れない私としては、その映像を観て虚無感しか感じませんでした。
戦争がない今の日本に住んでいる私としては「戦いたくないのが普通」という頭なので彼は臆病者どころか英雄のように思えました。
戦うことがそもそも信じられないのに、そんな中で命のことを大優先に動いた彼こそ称えたくなります。
いつ自分が死ぬかもわからないのに
「神様、あと1人助けさせてください」
「神様、あと1人助けさせてください」
「神様、あと1人助けさせてください」
と自分の責務を全うした。
彼が救った戦士たちの中には、なんと日本兵もいたそうな。
宗教的な信念からの行動(宗教については置いといて)ではありますが、私は存在する全ての職業の中で”人を救う職務”を何よりも尊敬していますので、かなり心に響きました。
そしてこうも思った。
彼をボコボコに殴ったり貶した奴らの中には、彼に救われた人もいるはずで。後にちゃんと謝罪したのだろうか。
映画にしている以上、多少の脚色は加わっているでしょうが、これが実話だったなんて驚きですよね。
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まとめ
ハクソーリッジは、これまでの戦争映画とはちょっと違った角度から描かれた作品。
戦争映画だから目を覆いたくなるような衝撃的なシーンもあるけれど、命を救うという当たり前の、でも当時で考えたらとても尊い行いを称えたくなりました。