サンドラの小さな家を鑑賞してきました。
いや〜結末ちょっと胸糞でしたけど、彼女のたくましい姿、決して諦めない信念、子供を守り抜くと決めた強い心、まさにヒーローって感じでした。そうすることで己を奮い立たせたかったのでしょうが。
ついでに社会の厳しさやクソ夫、そして家庭内暴力の負の連鎖についても考えちゃいました。
ということで感想をネタバレありでお話ししたいと思います。
サンドラの小さな家の概要・あらすじ
監督 | フィリダ・ロイド |
製作国 | アイルランド、イギリス |
製作年 | 2020年 |
原題 | Herself |
上映時間 | 97分 |
ジャンル | ドラマ |
キャスト | クレア・ダン、ハリエット・ウォルター、コンリース・ヒル ほか |
サンドラの小さな家のあらすじ
シングルマザーのサンドラ(クレア・ダン)は、DV夫から逃れ、幼い子どもたちと仮住まいのホテルで暮らしていた。しかし住まいが見つからず、自らの手で家を建てようと思いつく。ネットで入手した設計図をもとに、周りに協力を呼びかけ建設に取り掛かるのだが・・・。
サンドラの小さな家は実話?
この作品は、企画・脚本・主演を担当したアイルランド女優クレア・ダンの友人の電話がきっかけで生まれて映画です。
これは公式のユーチューブにも言及されているのですが、クレアダンさんがニューヨークにいた時に友達から「ホームレスになった」と電話で告げられたんです。
幸い実家に身を寄せることができたけど、3人の子供を抱えた女性が家を探すのに10ヶ月もかかったということに強い衝撃を受けたそう。
社会のシステムが崩れている…そのシステムから抜け出せないものなのか?
そして家を建てるという構想が浮かんだと。
ということなんで、話が実話ってわけではなく、きっかけが実話って感じ。
物語自体はフィクションです。ただ、この”暮らす家が見つからない”は多くの人々が抱えている社会問題。
私はケーンローチ監督を思い出しましたね。(社会問題を描く監督さんで、めっちゃ面白い作品が多い)
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サンドラの小さな家のネタバレ感想
物語序盤のサンドラが夫に殴られるシーン、胸が痛かった…。
その過去があるからサンドラは家作りを決意したのであって、なくてはならないシーンなのです。うぅ…映像が痛々しくて少し目を覆いたくなる光景でしたね。
そして子供を守るために飛び出したのは正しい正解。過去はよかったと振り返るシーンもあったから、その頃を思い返して相当悩んだとは思うけど。
ただ、そんな過酷な事情を抱えた親子に対しても世の中はちょっと冷たいよな〜って思っちゃいました。公営住宅とか考慮して優先させてあげて〜。
こういう社会の厳しさ、ケンローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」に出ているシングルマザーを思い出しましたね。
まぁ、それが今の社会なんですけど。辛い思いしている人は大勢いるから。
最後の放火シーンは正直、完成パーティ的な時から薄々読めてしまいました。というのも映画鑑賞前にレビューで「結末びっくりした」という情報を目にしてしまっていたから^^;
このあと何かあるんだろうなって。
これを知っていなかったら「このままハッピーエンドかな」と思っていたところでした。レビュー読まない方が良かったかも。
あのクソヤバ夫については、暴力だけじゃ我慢できず親権を奪おうとしたり、相手の幸せを妬んだり、クソオブクソでとんでもないことしてくれたなって感じだけど最終的には捕まってよかった。
それから夫逮捕後の義母の最後のセリフ。
短いシーンだったけど、家庭環境って根が深いな〜と心底思いましたね。家庭内暴力はどこかの世代で止めないと次の世代、また次の世代と連鎖する。
夫もある意味被害者なのかもしれないけれど、でも夫の卑劣な行為は10000億%許せないものだから、胸糞な展開後はちょっとスッキリしましたね。
あれで夫がのうのうと生きている流れになってたら私はきっと劇場で発狂してたかもしれない笑
そしてサンドラ、とても強い女性ですね。母親で守る存在がいるって人をものすごく強くさせますね。
親子の秘密の暗号「ブラック・ウィドウ」ってのも力強い女性像を表しているので、彼女に合っていると思いました。
それから邦題の「サンドラの小さな家」ってタイトル。
できればHerselfのままにしてほしかった・・・・。
家作りがメインではなくて彼女の心情にフォーカスしていると思うので英題のままの方がしっくりきます。
まとめ
サンドラの小さな家は実話ではなく、脚本制作のきっかけが実話。
ただし、「家がない、見つからない」というのは現実世界で起こっている深刻な社会問題であることに変わりはない。
最後の結末が胸糞感あるので意見が分かれそうですが、私は楽しく観賞することができました。
個人的にはサンドラのその後の人生が気になるので続編が観たくなりました(多分ない)
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