日本では2016年に公開された「イット・フォローズ」。
アメリカでは2015年に公開され若者たちの間で話題となり、大ヒットホラー映画となりました。
なぜここまで口コミで話題となったのか?
それは映画の中で描かれている「イット」は一体何なのか?と観た人のいろんな解釈が飛び交い謎めいていたからです。
ここではその「イット」の謎に迫ってみたいと思います。
※概要やあらすじは省き、本題から入ります。
「イット」とは?それは一体なんのこと?
見た目は人・・・でも何かがおかしい「it(イット)」
「イット」についてはいくつかの規則があります。
- 規則① イットは感染している人と寝ると移る
- 規則② イットを移すためには誰かと寝る必要がある
- 規則③ 移されると「イット」が追いかけてくる(他の人には見えない)
- 規則④ 「イット」に追いつかれると死んでしまう。
- 規則⑤ 移した人が死ぬと自分に「イット」は戻ってくる
- 規則⑥ 「イット」はゆっくり歩いてやってくるが、頭は良い
- 規則⑦ 「イット」を移しても姿は見える。
これが基本的な「イット」の概要です。
主人公のジェイはヒューという男の子と寝たことで「イット」を移されました。
ジェイは移されたその日から、この「イット」に追いかけられることになってしまいました。
「イット」から逃れる方法

(C)2014 It Will Follow. Inc,
イットから逃れるには逃げ続けるか、誰かに移すしかありません。
逃げ続けるにも限界があると知り、ジェイはイットを他の人に移すことを考えます。
その相手は近くに住むグレッグ。
ジェイがなぜグレッグを選んだのか?
それは、グレッグが「イット」を信じていなかったからです。
ジェイの妹や友達はジェイと同じように怯えてしますが、グレッグだけは違いました。
さらに以前ジェイはグレッグと関係を持ったことがあります。
それもあってジェイはグレッグと寝ることでグレッグに「イット」を移します。
その後グレッグ自身は普通に生活を送っていましたがジェイが移してから3日後、イットはグレッグを襲ってしまったのでした。
グレッグが死んだことで「イット」はまたジェイに戻って来ます。
そしてジェイは海で遊ぶ男性を見つけ、「イット」を移すことにしました。
しかしジェイは分かっていました。また自分のところに「イット」は戻ってくると。
そしてそれは現実となったのでした。
「イット」の正体は?
「イット」は正体は何?ということが映画公開時点から話題となりました。
誰かと寝ることで感染することから、ウィルス的なものという見解もあったようですが監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェル自身がそれを否定しています。
では「イット」は一体何・・?
そのヒントは「イットはゆっくりやってくる。イットは逃れられない。」というところにあります。
そしてその「イット」に捕まってしまうと死んでしまいます。
ということは「イット」自体が死ということではないでしょうか?
私たちは死から逃れることはできません。死はいつでも私たちを追いかけて来ているのです。
いつ死に捕まるかは人それぞれですが、追いかけられていることはみんな同じです。
でも死を恐れている人とそうでない人といます。
一旦考え始めると、とてつもない恐怖を感じてしまうのが死ですが、死のことを全く考えていないと全然怖くありません。
それが死=イットなのです。
この場合移された人が死に怯える人、移されていない人が死を考えず怖くない人です。
「イット」からは逃れられない

(C)2014 It Will Follow. Inc,
ジェイは「イット」にずっと追いかけられ、逃れることができません。
「イット」のことを考え怯えた毎日を送っているのです。
結局ジェイは自分のことを好きだと言ってくれているポールと寝ることで、「イット」を感染させますがそれは今までのグレッグ達のように移して来た男性との関係とは違います。
少なからずそこには「好き」という気持ちがあります。
ジェイも最初はポールのことをなんとも思ってしませんでしたが、自分のことを必死に守ってくれるポールを見て次第に惹かれ始めます。
ポールとジェイが寝たことは移すためではなく、恋愛の過程にあった行為です。
だからといてポールが移されなかったわけではありません。
そしてラストシーンで2人が歩いている背後には男の姿が映っています。それはイット。
2人には確実にイットが迫って来ているのがわかります。
でも2人はイットのことに気が付いていません。
ジェイとポールは手を繋ぎ、お互いを見ながら歩いているので周りのことが見えなくなっているのです。
この時2人は「イット」のことを忘れていました。
だから後ろに気がつかないのです。
まとめ
イット=死
なのでは?とお話しさせていただきました。
(もちろん解釈は人それぞれで、ここでは個人的な考察を話しているまでです)
死は誰にでも起こりうるもの。
でもそれに怯えるのではなくて、楽しいこと好きな事をして幸せな時間を過ごしていると死を忘れることはできるのです。
それが最後の2人のシーンに描き出されていたのでは、と。
確実に死はやってくるけど、恐れる必要はないという事。
解釈は観る者によって異なる作品ですが、死とあてはめると「なるほどなぁ」と思えるのではないでしょうか。