映画ローン・サバイバーは実話を基にした作品ですが、内容が結構違うらしいです。
「それ、知りたくなかった〜・・」と思いつつも作品として、軍人が戦う映画としては私は1番心動かされました。
ネタバレ感想をお話しします。
映画ローン・サバイバーの概要・あらすじ
- 監督:ピーター・バーグ
- 製作年:2013年
- キャスト:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター ほか
映画である以上、脚色や過度な演出が入ります。ローンサバイバーも例に漏れず実話とはかなり違うとのこと。
ここでは実話と映画の違いを話すのではなく、ローンサバイバーという映画について、映像を見たままの私のネタバレ感想をお話しします。
“実話としてのローンサバイバー”の感想ですとやはり本当の話と照らし合わさないといけないし、私としても複雑な感情になってしまうので。
映画ローン・サバイバーのネタバレ感想
画面に映しだされる痛々しいシーンの連続で心底胸が締め付けられました。
過酷な急斜面の岩山で、いくら攻撃をしても敵の数が全く減らず追ってくる。落ち着いたと思ったらもう近くに来て攻撃されている。銃弾も減り続け、正しく絶対絶命な光景の数々。
しかもこちらが下に退避しようとしても、岩山で急斜面。もう落下して落ちるしかないって状況で落ちるんだけど、無傷な訳がない。
山を転がり落ちるようにして下に移動する様は、音と光景がリアルで「痛い痛い痛い」と眉間にシワ入りまくりでした。もちろんスタントマンだったりCGを利用しているでしょうが、メイキング映像を見たところ、実際に転がり落ちているんですよ。クッションなど利用しますが。
いや・・スタントマン大丈夫か?骨、折れてないか?と心配してしまうレベル。あのリアルさはこの撮影方法から来ているのね・・と納得。
この山から転がり落ちるシーンが結構長い尺で、観てて胸が苦しいです。
そして仲間が攻撃に遭い、銃弾に倒れた仲間の1人は指が切断された状態。そしてタオルは真っ赤な血で染まる。さらに腹部に銃があたって、もう歩くだけで精一杯。
仲間を担いでいたけど攻撃でバランスを崩し、置いてきてしまい、もう体はボロボロなのに助けに行くと言い出す。その”仲間を救おうとする”行動がまたすごく辛い。
どんなに過酷であっても仲間を置いてきぼりにしない、仲間を守るという気持ち。
そして仲間の1人が、無線で応援要請をするために、電波が届く場所に移動するんですね。でもそれは同時に自分が攻撃にやられて死ぬことを意味していました。
まさに自己犠牲ですよね。やめろと言っても無理にやめろとは言えない。なぜなら絶対絶命っていうのが分かっていたから。あぁ辛い。辛すぎる。
そして彼が電波が届くところまで、残りの仲間は援護射撃するわけです。本当にいたたまれない気持ちになります。
さらには別の仲間はもう力尽きて体はふらふら。意識を保つだけで精一杯な中、最後は銃弾に倒れて亡くなる。静かなシーンに、言葉が出なくなります。
これまでたくさんの、軍人たちが戦う系の映画を鑑賞してきましたが、それよりもはるかにしんどい気持ちになりました。心が締め付けられます。本気で。
なんでかっていうと多分、他の戦争映画や戦いシーンって攻撃シーンの迫力に重きを置いている感じしてて、でもローンサバイバーは絶体絶命な状況下の中、終わりが見えているのにそれでも仲間を助けようとするから、こちらもすっごいしんどい気分になるんですよね。
いくら戦っても相手は減らないんですもん。おそらく向こうの方が土地勘を理解してたっし予想をはるかに超えた人数だった。(人数は実話とは違うみたいですが)
そして奇跡的に1人残ったマーカスが現地のグーラーブという男性に救われます。
でもマーカスを助けたことによって、村の住民から反発を受け、最終的には村で銃撃戦が起こってしまう。ここでも切ないというか、善人が攻撃されるシーンは胸糞です。
そしてエンドロールで実際の海兵隊の写真が映し出されるわけ。ここが最大のしんどいシーンですよ。名前と年齢が表示されるんですが、22歳という若さの人もいました。ここで号泣する人多いと思います。
そして最後の最後で、“なぜ村人グーラーブがマーカスを助けたのか” の理由が明かされます。
それは2000年にもわたるパシュートウーンの掟(いかなる代償が伴おうと敵から逃げるものを守りぬけ)に従い、アフガンの村人たちはマーカスを助けたというもの。
その後2010年にマーカスとグーラームは再会を果たしています。
この掟についての文章を読んで、私は涙腺が崩壊しそうになりました。感動っていう言葉では表現しきれない感情に浸りました。
村人たちはその掟を守っただけかもしれませんが、通常自分たちが危険な目にあう原因になる人をかくまうのってリスクでしかないの。一般的に困っている人がいたら助けるのが当たり前かもしれないけど、アフガンの村ではそれが当たり前ではない状況だった。
繰り返しますが、間違いなくアフガンのあの現地では人助けが当たり前じゃなかった状況のはず。
それなのに掟を守り守りきったというところに涙が出そうになりました。
こんな感じで、実際は戦った人数が違ったり、内容が事実と異なると突っ込まれている映画ですが、映画自体は私は素晴らしい作品だと思いました。
正直最初は実話に忠実だと思っていたから、多少脚色が加えられるとはいえ、「結構内容が違ってた」って事実は聞きたくはなかったですけどね。
ただ、こういった戦争系?軍人や兵隊がたくさん出てくる映画の中で、めちゃくちゃ心が動かされる作品は私の中では紛れもなくローンサバイバー1択です。
ハクソーリッジや1917でも、題材的に胸が締め付けられる思いは抱きましたけど、ローンサバイバーほどじゃなかったです。
こんな感じで感想は終わります。