ヤバイ映画ってことで何かと話題のミッドサマー。
花や衣装、人々のダンスなど美しい映像の中に、サイコで残酷で不気味な内容と描写が繰り広げられる。
気分が悪くなってしまう人も多いこの映画について、私なりに感じたことをお話したいと思います。
※ネタバレ感想です。
ミッドサマーの概要・あらすじ

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概要
監督 | アリ・アスター |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2019年 |
原題 | Midsommar |
上映時間 | 147分 |
ジャンル | ホラー |
キャスト | フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィルヘルム・ブロングレン ほか |
あらすじ
家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。https://www.phantom-film.com/midsommar/
ミッドサマーのネタバレ感想
※この映画の解説と言うより、私がどう感じたのかっていう感想です。
感想の第一声は「うわ・・不気味で狂気、なんだこれ」なんですが、それではあまりにも抽象すぎるので、そう感じた理由をいくつか分けてお話しします。
いくら文化と言われても
不気味さを感じながらも村のありえない文化に必死に理解しようと、慣れようとするダニーたちだけど、いくらなんでも、な描写があまりにも多い。
そう、あまりにも多い。
死や痛みを伴うしきたりには到底納得がいかないし、求愛の方法も性に繋がるが故の表現なんだろうけどかなり不快感。
そういうものだから、では到底納得できない。
どこかの民族の奇抜な服装やダンス、飾り物とは次元が違いすぎる。
慣れようとして慣れるものじゃないし、慣れたくもない。それを何とか理解しようとしているのもおかしなことなんですが。
ミッドサマーはヤバイ、という噂は鑑賞前から聞いていたけれど、それを遥かに超えてきたので鑑賞中何度も思考停止したのを今でも覚えています。
口を手で塞ぐ動作が自然とでてしまう、といった感じ。
みんな一緒、が不気味
不気味さはいろんなシーンで表現されているのですが、個人的には全員が北欧デザインの白い衣装(民族衣装?)をまとっているのが不気味に見えました。
あの衣装単体はすごく綺麗だし、清潔感もあるしゆったりした雰囲気で好きです。
そして舞台がきれいな青空、鮮やかな緑、そして白い民族衣装とコントラストがとても綺麗で美しいので、それ故にとても不気味に映りました。
文化的な行いが狂気なのと対照的に、まわりがあまりにも美しく、その不一致さというんでしょうか?
みんな同じ衣装=みんなの思想や考え方も一緒にみえたし、みんな同じ表情、そして笑顔なんですよね。
個性がない。
そう、個性がないことが逆に不自然に映り、それが不快感へ助長させているようにも思えました。
ダニーの頭がおかしくなってくるあたりから、花がとても美しくなった
女子で円になってダンスする前に飲んだあの液体、なんかやばそうなのが入ってたようだけど、それを飲んでから幻覚が出るようになっていました。
森が歪んでいたり、花が動きだしてたり。
ダニーがかぶっていた花冠に一際動いていた花があって、その花の中心がまるでブラックホールみたいに真っ黒で目立っていましたね。
花の美しさがこの映画ではキーポイントと聞きましたけど、綺麗な花の中に真っ黒に蠢く何か、見えてちょっと不気味でした。
てか一体何を盛られたんだって思うと、だんだん「これ文化っていうかかなり人間味のある確信犯的な行為では?」と思えてきました。
なんかさ、確信犯的な行為や計画性を感じない?
ちょっとうがった見方かもですが、なんか文化やしきたりという聞こえがいいことの行いの中で、ちょいちょい彼らの計画では?と思っちゃうシーンが多く感じてしまうんですけど。
文化だとしても理解できない行為・・と話しましたけど、それらが確信犯的な行為に見えて仕方ないんです。
この村の人たちは家族を失って心身消失状態のダニーを仲間に入れるために色々仕向けてきたのでは?そのために文化を利用しているだけでは?とも思ったり。
最初からダニー目当て。そしてダニーの情報は村出身のあのペレ経由。
ペレって多分ダニー大好きでしょ。村で結婚すると決めていたのでは・・。
そうなるとダニーの彼クリスチャンも邪魔だし。村の繁栄のために子作りだけさせてあとは用なし的な。
あの性の儀式の後、彼だって言い分はあってダニーにちゃんと言い訳したかったのに、それもまた謎の薬で発言できず最後は生贄。
すごい計画的ィ!!!
ダニーは村の仲間に、邪魔者は抹殺。そして村の文化とかしきたりで残酷行為を美化。
こうやって仲間増やしている・・・?
な〜んかこういう見方をしてしまうんですよね〜笑
こう思えてくると不気味さに加えて苛立ち感じてくるようになりましたね。
性の儀式について
おそらくこの作品の中でも1番強烈なインパクトがあったのは間違いなく生の儀式の部分かなぁと思います。
不気味さを通り越してちょっと滑稽さもありましたけど。
性行為さえも儀式のように見立て、その場にいるみんなで喜びを分かち合う的な。
まさにカップルで見たくないシーン。関係性が薄い人とは一緒に見たくない描写でしたね。
まとめ
ただの胸糞映画ではすまない強烈な映画、ミッドサマー。
今でもイマイチ自分の中での落とし所がつかない映画ではありますが、妄想や想像、人間と宗教について考えることが好きな人には、もしかしたらはまるかもしれない。
美しさの中に狂気、個人的には・・・確信犯とか計画性も感じる内容でした。
不気味さの中にいろんな要素が詰まっていると思います。