今回は映画シェイプオブウォーターについて。
異人類(半魚人)との熱く、そして切ない恋愛を描いた作品です。
自分を認めてくれる存在は人間でなくても良い。彼女だからこそ感じる究極の純愛に複雑な思い抱きつつも、その斬新な世界観にただただ観入ってしまいました。
めちゃくちゃ妄想をかき立てられる作品です。
シェイプオブウォーターのあらすじ
1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。
出典:https://www.cinematoday.jp/
イライザは耳は聞こえるけど声が出ない(声帯にダメージを負って)ハンデを負った女性で、ある日研究所に送り込まれた半魚人に心惹かれていく話。
監督 | ギレルモ・デル・トロ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2017年 |
原題 | The Shape of Water |
上映時間 | 124分 |
ジャンル | ファンタジー |
キャスト | サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス ほか |
シェイプオブウォーターのネタバレ感想
半魚人との純愛
めちゃくちゃ想像してしまった。半魚人という異人類との恋愛。
彼女が声が出ないというハンデを負っているから、そして彼女の境遇が半魚人への純愛に変わったと思うのですが….
半魚人なんてまさにファンタジーの世界だし人間ではないものに恋愛感情を抱くとか全く想像できませんよね。
愛だったら感じられますけど(ペットに愛情を感じるじゃないですか)でも恋愛は異次元ですよね。
でも自分を認めてくれる存在=自分が自分でいられて、自分が心を許せる となると恋愛に発展しやすいのかな?しかもあの半魚人、体格自体は人間の男性とちょっと似ていますしね。見た目はちょっとグロいけど。目もあるし腕も足もある。
物に恋愛感情を抱く人はいますが、(物と結婚する人もいますよね)まだそっちの方が理解できる。
ツッコミどころというか違和感
半魚人が出てくるという斬新な作品ではあるのですが、シリアスで笑えるシーンは全くありません。
女性を捻くったり差別的な対応をしたり、ソビエトの冷戦時代の政府の極秘研究所が舞台だからシリアスな会話も含まれます。
なんだけど、イライザの妄想?で半魚人とダンスするシーン、あれは違和感を感じてしまった;
伝えたいことはわかるんだけど、すごくコミカルに感じてしまって・・一瞬現実の世界に引き返された感覚に陥りました。
さらに男女の営み。半魚人ですが体格は大人の男性。そういう機能があるということは分からなくもないですけど・・・でもイライザは完全に恋している感じだったらそういう展開もありえる。
でも個人的にはそこはなくてもよかったな〜って感じ。裸で水中を一緒に泳ぐくらいだったらまだ理解できるのだけど。
私が半魚人を”人”と思えていないが故の感想なんでしょうね。
ちなみに水を溜めたシーン、よく水漏れせずに大量に溜まりましたね。あれ地味に気になった;
イライザの年齢や首の傷について
作中では明確な年齢が表示されていなかったですが、私の考察ですと30代後半あるいは40代設定かと。なぜかって演じている女優さん(サリー・ホーキンス)がそのくらいだから。
wikiによると1976年生まれとのことで、2017製作当時40代前後ってことを考えると、そのくらいかなって私は思っています。
んで首の傷。
ここは人によってかなり解釈が分かれますよね。
だって最後この傷がエラになるんですもの。
この描写見たらさ率直に
- 「まさかイライザもともと半魚人?」
- 「イライザの傷っていつかエラになるためのものだったの?」
- エラが長年の人間生活で退化しちゃってただけ?
とかもともとエラだった説に関連付けて考えたくなる。
んで、イライザはもしもともと半魚人だったと仮定するなら、それはそれで納得できる描写もめーっちゃ多いんですよ。
だって(過去の影響とは言ってるけど)イライザ声が出ないし(半魚人も声出ない)、半魚人に恋心抱くって普通ありえない(でもイライザは抱いている=同種だから抵抗ない?)と考えられるし。
映画全体的に 水 がとにかくたくさん出てくる。
イライザの自慰シーンも水中でしたし。
そんであの傷自体、引っ掻いたような傷がまるで最初からエラっぽい形状だったとかそういう見方もできるし。
いろんな解釈できて迷うけど、もともと説だといろいろ納得しちゃうのです。
てゆか、たまたまって考える方が無理あるかも。ちょっと考えたけど。
例えば、たまたまそこの傷を半魚人が「君が受けた傷は、僕と運命を共にするために、エラにするために傷つけられたんだ」とか、イライザが過去に受けた傷を半魚人が消化してあげた・・とも考えられる・・・かも?
いや、これは無理があるな。
やっぱり、私的にはもともとイライザは半魚人だった説が高いと思いました。
シェイプオブウォーターは気まずいシーンある?
あるある。
イライザの自慰シーンが映っているからです。
カップルや家族と一緒にはおすすめしません。
ベッドシーンや濡れ場シーンで気まずくなるような間柄だと、シェイプオブウォーター観たら気まずいと感じると思います。
結末。オープンエンディングでした〜
これ、問いたい。あなたはどう思いました?あのエンディング。
私はハッピーエンドだと思うのですが、観た人によってはちょっと後味残るのかも?とも思いました。
これは、先ほど話したエラの解釈によって感想ことなると思った。
もともとイライザは半魚人だった説で考えればマジハッピーエンドって感じ。
でももともと人間で〜っと考えると「イライザ・・それで幸せなの?」とか考えちゃう。
やはり人間としての幸せの定義というか、人間だからこその幸せを知っている人間としては、人間と半魚人の暮らしって果たして幸せなのか想像できないですし。
イライザはエラ出て水中でも暮らしていける体になったけど・・その後の生活がめちゃくちゃ気になって仕方なかった。
続編あったら観たいけど、まぁないですよね泣
まとめ
シェイプオブウォーターを観て、人間でない彼がどんな生物なのか!ということよりも、それを取り巻く人間のリアルを描いた内容でした。
結末にいろんなこと考えさせられたんで、最終的には面白かったなというのが素直な感想です。