知人に勧められて縞模様のパジャマの少年(英題:The Boy in the Striped Pyjamas)を鑑賞しました。
後味悪いよ、誰も救われない作品だよって聞かされていたので、いわゆるダンサーインザダーク系かなって思って観た私。
結論から言うとダンサーインザダークほどではないけれど、ただただ残酷・後味悪い映画でした。
歴史と、運が味方してくれなかった・・・とでも言いましょうか。
実話という情報は出ていませんが、あの収容所の存在や行いは実話なので、観賞後は少し放心状態となりました。
※ネタバレありの感想です。
※胸糞な作品に興味がある方は後味が胸糞な映画まとめページもあわせてご覧ください。
縞模様のパジャマの少年の概要
監督 | マーク・ハーマン |
製作国 | イギリス、アメリカ |
製作年 | 2008年 |
原題 | The Boy in the Striped Pyjamas |
上映時間 | 95分 |
ジャンル | ドラマ |
キャスト | エイサ・バターフィールド、ヴェラ・ファーミガ、ジャック・スキャンロン、アンバー・ビーティー ほか |
縞模様のパジャマのあらすじ
第二次世界大戦下、8歳の少年ブルーノ(エイサ・バターフィールド)は、ナチス将校の父(デヴィッド・シューリス)の栄転でベルリン郊外に引っ越すことになる。裏庭の森の奥、鉄条網で覆われた場所を訪れたブルーノが出会ったのは、縞模様のパジャマを着た少年シュムエル(ジャック・スキャンロン)だった。二人は友情を育むが、ある日ブルーノはシュムエルを裏切ってしまい……。https://www.cinematoday.jp/
縞模様のパジャマを観た私の感想(ネタバレあり)
無邪気さがこんなに残酷に映るなんて
この作品はブルーノという子供目線でストーリーが進んでいくので、ブルーノの行動や思考が顕著にセリフに表れています。
子供なら知らないことが多すぎるから、当然ありとあらゆることに疑問を抱く。そして見たまま感じたままに発言し、まさに無邪気そのもの。
大人だったら暗黙の了解は”仕方ない”的な思考、同調圧力などすぐに判断することができるけど、子供にはそんなのない。だって無邪気だもんね。
ブルーノのその無邪気さと、大人である自分との思考のギャップさ、そして歴史的背景を知っている大人がこの作品を観ると胸が締め付けられますね。
ブルーノは子供だから・・と思いつつもその無邪気な発言が我々大人の心をえぐる。
母親の心が救いとなった
作中、大人は全員あちら側な考えなのかな・・と思ってしまいそうでしたが、母親は人としての心をしっかりと持った女性でした。
だからこそ夫がしていることを知った時は取り乱し体調を崩したわけで。
それと、ブルーノが怪我をしてパヴェルが手当てした時、包帯を見た母親がどんなセリフを放つのか一瞬ヒヤっとしましたが「ありがとう」って。
この母親の行動でどれだけ心が救われたか・・・(私的には、この母親の存在のおかげで最後まで観続けるモチベにつながったと言っても過言ではない)
でもそんな母親も最後はブルーノを失ってしまうわけで、あともう少し早く引っ越していれば・・・って感じ。
母親に対してもちょっと感情移入してしまった・・
衝撃のラストシーン。シャワー室にパヴェルいた?
最後のシャワー室、私の認識ではパヴェルの顔が映っていたように思うのですが・・・気づきました?(いまだに確証はないのですが・・)
一人の老人の顔をパっと映したんです。
映画でしかもあんな重要なシーン、一人の老人をパっと映すのって、意味があるように思えてならない。
私はあれはパヴェルだったんじゃないかな・・?と思うのですが・・一瞬だったんで、気づかなかった方はぜひもう一度観てみてください。
あれがパヴェルだとするなら、同じシャワー室にいたことになります。
タイミング的に、なんとも映画らしい展開ではありますが、パヴェル(であろう老人)の表情も悲しい様子でそこでも心がえぐられました。
結末のシーン。あれは縞模様のパジャマの少年の復讐?わざと?についての私の考察
ラストのシーンで「あれはわざと?」「もしかしてシュムールは復讐したかったとか?」と疑問に思った人、私だけじゃないはず。
結論から言うと、復讐とするなら、何をもって復讐とするのか?で結論が変わってきます。
もしあれがシュムール(パジャマの少年)の復讐とするならば、塀の中の生活があまりに残酷でブルームにも味あわせてやりたい!という気持ちからの復讐という説も分からなくはない。
でもあのシャワー室についてはシュムールが知っているはずもない・・・・(と私は思っている)ので、それが復讐とは到底考えられない。
シュムールがシャワー室の存在を知っており、自分もいつかあの煙の中に・・と察していたのか?うーん。
シュムールがそこまで計算していたとは到底思えない。もしそうだとしたら多少なりとも表情を映すなり観ているこちらに気づかせる演出があってもいいと思うんですよ。なかったですもん(私が見逃しただけ?)
ということで私は「あれはわざとではないのでは」って結論に至っています。
最後まで子供達は無邪気のままでさ〜
それがわかって観ているからこそこちらの心がより一層崩されてしまった感じでした・・
久々の、後味が悪くて誰も救われない映画でしたね。
ちなみに超余談ですが、この映画のタイトルの「縞模様」って一瞬「え?何の模様?」って思いませんでした?私一瞬「縞模様ってなんだっけ」って思ったんですよね。
すぐに「ああ!ストライプ模様ね!」って気づいたけど。縦縞模様のパジャマの少年って覚えている人もいそう。
まとめ
後味もそうですし、無邪気なブルーノの発言や行動がここまで大人にとって残酷に映るなんて・・・映画レビューの評価が高いのも納得でした。
そして実際に起こった悲しい歴史に因んだ内容ということも重なって、心がぐっちゃぐちゃになりましたね。
明るい話ではないけれど、史実として残酷な施設があったのは事実だし、わたし的には観るべき作品と思いました。
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