ラッセルクロウ主演の映画「アオラレ」のネタバレ感想をお話しします。
社会の残酷さ、社会のシステムが産んでしまった男の暴走っぷりと末路を描いた映画でした。
アオラレの概要とあらすじ
概要
- 製作年:2020年
- 原題:Unhinged(不安定とか気が動転、錯乱といった意味です)
- 監督:デリック・ボルテ
- キャスト:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリウス、ジミ・シンプソン、 ほか
あらすじ
レイチェルは寝坊してしまい、息子を送り職場へ向かっていた。そんな時に限って道路は大渋滞。その後、信号を待っていると前の車が動かない。朝からの出来事で苛立ちを抱えていたレイチェルは、運転手に一言言ってしまう。キレた相手は謝罪を求めるも、レイチェルは応じなかった。
アオラレのネタバレ感想
社会の仕組み、残酷さが産んだサイコパス
煽り運転をし暴走したトムですが、元からイカレ野郎だったのではなく社会の残酷な側面から誕生した可哀想な人でした。(同情はしませんが)
冒頭でいろんな人の声で社会への不満とか不条理さを話すシーンが流れましたけど、あれも伏線でしたね。そんな不満がたまりに溜まってモンスターを産んでしまったっていう。
流石にこんなね、煽り運転からの殺人ヤバヤバ行為をする人はそんないないですが、今の社会はこんな人もたくさんいるんだよって印象もうっすら感じます。
社会の制度に恨みを抱いている人、世知辛さを感じている人はめっちゃいますしね。
そんなサイコ野郎を引いてしまったのがレイチェル・・運転手ガチャってやつだろうか。
この物語の面白い?ところは、イカレ野郎トムが執拗にレイチェルを付け回して煽って煽って煽りまくると思いきや、(タイトルがアオラレだし)その後エスカレートすることなんですよね。
レイチェルにロックオンした後はスマホまで盗んで徹底的に執着しレイチェルを不幸に導く。レイチェルに関係のある人を徹底的に襲うわけで、「アオラレ」ってタイトル以上のことをするサイコっぷりにびっくりしたの私だけじゃないはず。
ただ脅しや喧嘩をするだけで終わると思いきや、結構残酷なことするのは想定外だったし、このまさかの展開が面白さに繋がったのかも。
邦題がダサい
アオラレって邦題、ダサいよく聞くんですよね。確かにダサい・・ってかアオラレだと軽く感じる。
実際、車でアオラレるんだけどメインではないし、おっさんの暴走の一部が車のアオリ運転ですからね。煽り運転も最悪だけど、おっさんはそれ以上の殺人をする。
だから原題のUnhinged(錯乱とか狂気)ってのはかなり話に合ったタイトルと感じましたね。
邦題をアオラレって名前にしたのは、日本でも度々取り上げられる煽り運転について連想させたかったからなのかなと思いました。
余談ですが、邦題がダサいと聞くと私は決まってあの映画を思い出すんですよね。「崖っぷちの男」
これ結構面白いんですよ。陰謀系で、なんでビルから今にも飛び降りそうになっているのかその背景を紐解いていく系の内容。だから「え?期待してなかったけど面白いじゃん」ってびっくりした作品でもあった。
だから邦題で損しているな〜って思っているんですよね。
原題は「Man on a Ledge」なんだけど、崖っぷちといっちゃうとなんかシリアス感が薄まるし、人によっちゃ「どうせB級だろ」って判断して観ていない人もいそうです。
下記のページにあらすじなど掲載していますのでよかったらご覧ください。
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アオラレは主人公が悪い?私の考え
主人公レイチェルの行動が悪いのでは?と思う人もいると思います。
元凶はあのおっさんってのは百も承知なんだけど、きっかけを与えたのはレイチェルで、ガチャを引いたのもレイチェル。
おっさんの肩を持つ気はありませんよ。ただレイチェルがあのおっさんに出会った時にもう少し冷静な対応をしていればこんな結果にならなかったとは思う。レイチェルにとってはね。
“レイチェルにとってはね” ってとこが肝で、遅かれ早かれおっさんは誰かの引き金によってきっと暴走していたと思う。
だって映画の冒頭でおっさんが夫婦を襲っているシーンが出てたし。もうすでにイカレてたんです。
もはやいつ己の暴走を実行に移そうか機会を待っていたようにも思えます。
レイチェルに対して「謝ってもらえれば許す」と言ってたから、レイチェルのような謝らない人を待っていたようにも思える。
だから、レイチェルの対応は良かったと言えないけど、悪いのは絶対的におっさんです。(重要なので重ねて言っておく)
ちなみに、ラッセルクロウ主演のスリーデイズって映画も面白いのでおすすめ。
下記ページにて紹介しています。